※エロ




強烈な嫌悪感と吐き気。
冷たいはずの机にはねっとりと何かがばらまかれていた。
分かってる、分かってる!違う、分かってしまった!
押し付けられた机に何が散らばっているのかも、

「好き、だ…!」

真田が俺を好きだというコトも。
忘れものなんて取りに来なきゃよかった。
携帯なんてどうせ使わない、いやもう使えないのだから。
電気が消えた部室にちかり、とメールを知らせるランプが光った。

「や、めろ…!止めんしゃい、真田!」

俺にそんな趣味はない。
大声で叫ぶ。
下校時間をとっくに過ぎたそこに、そこの周りに、誰か人がいるはずがなかった。
抵抗すればするだけ机の上に散らばった死んだ命の元が服にべったりと付くだけ。
無理矢理に引き抜かれたネクタイ、引きちぎられたシャツ、剥がれたスラックス、総てが嫌で嫌で。
浅ましい、止めて、止めてくれ。

「仁王…、好きだっ、好きなのだ…!」

真田の骨ばった手が至るところを弄った。
気持ちが、悪い!
びたりびたりと這うそれを噛み千切ってしまおうかとも思ったが如何せん体は動いてくれなかった。

「止、めろっ、止めろさな、うぁあああっ!」

全身の毛が逆立ったのを感じた。
止めろ、もう止めてくれ!

「あ、あ、あぁあ…っ、」

真っ先に消えたのは言葉だった。
どうすれば言葉になるのか、どうやって言葉をだすのか。
声に鳴らない悲鳴とやらは、熱に浮かされたようにぼんやりとした真田には微塵も聞こえていない。

熱すぎるものが俺に突き刺さった。

悲鳴悲鳴悲鳴、

「好き、だっ、好き、だっ仁王!あ、いして、いるぞ…っ!」

重すぎる愛は嫌いなんじゃ。






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