※ちゅー注意


気にくわない。
そんなコト今まで言われたコトがなかったし、忍足がこんなに怖いと思ったコトもなかった。
次の試合が始まってから抜け出したからか、誰も俺を呼びに来ない。
忍足を呼びにも来ない。

べったりと背中をつけた壁は冷たくて嫌な汗をさらに冷やした。
氷帝との練習試合。早々と試合を終えてベンチに座っていたところを何故だか忍足に拉致られた。
部室の裏。立海の部室のはずなのに、目の前にいる男に落とされた影のせいで別の場所のように感じる。
連れてこられるまでの強い力と、いつもの優しい雰囲気じゃない忍足に先刻から冷や汗が止まらない。


「お、おした、」

「気にくわん」


ダァンッ!なんてとんでもない音が耳の傍で鳴ったもんだから反射的に目をぎゅっと瞑った。こわい。
次いだのはかしゃり、と何かが地面に落ちた音。
ゆっくりゆっくりと瞼をあげる。
さっきよりも忍足が近くにいた。
いや、近くと言うよりは、


「…んっ、」


ゼロ距離にいた。
あけた瞼はすぐには下ろせなくて、眼鏡のない目と視線をかち合わせながらキスをした。キスされた。
忍足の両腕と忍足と、背中の壁に囲まれて、もう逃げられる隙はない。
食らうようなキスに頭の芯が溶けはじめた。








フォロワさんからのネタ提供していただいたもの。
もうワンバージョン用意してあります。


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