※捏造、もし徳川と仁王が知り合いでなんでも言い合える仲だったら








「プピーナ」

「流行りません」


背中の方で柳生がヒステリっぽくお説教するのを聞きながら水道に向かった。



失敗失態、脚の血糊を流す。
べったり付けたからか、綺麗に落ちてくれない。
暑かったし、丁度いい。
靴も脱いで段のあるコンクリに腰かけた。
細く水を出し続ける。
あー、

相手が悪かった、なんて負け惜しみはしたくない。
ぎゅ、と目を瞑った。
あ、コートの血糊はどうなったのだろうか。


「もう反省会か?」

「…うるさいなり」


柳生のお説教とは違う意味で聞きたくなかった声。
と一緒に蛇口が、キュッと音を立てて水を出すのを止めた。


「早い帰宅だな」

「言われんでも知っとる」


隣に同じように腰かけてきたヤツを睨む。
冷ややかな眼がこちらを見ていた。
氷みたいな癖に、冷たいだけに見える癖に、誰よりも登りつめる質なのが嫌いだった。


「…」
「…」
「…」
「…強く、なるんじゃ」


誰かの前で頑張るのは恥ずかしいから嫌い。


「柳生に負けないくらい、お前さんに負けないくらい、」


いつも飄々としていたいから、なんでも見透かすような眼を持つヤツが嫌い。


「もう、」


負けるのも、嫌い。


「負けない」


流れきってしまった水でコンクリがべとべとになっている。
立ち上がって、もう一度蛇口を捻 った。
冷たくて気持ちがいい。


「そうか。ならば、入道、」


あ、あとそうだ、


「要らん」


ヒントも要らん。


「俺は俺の力で這い上がる」


それがもし、途中で誰かの手が入っても。
絶対に俺は俺の力で、


「お前さんらを、けちょんけちょんにしちゃるよ」


勝つ。
濡れたまま拳を出せば、薄ら笑って拳がぶつかった。












ホモ以前に仁王くんの心のともとかだとすごくいい。捏造すんません。


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