「ずるい、」

ずるいずるいずるい、
なんだかずるいったらありゃしない。

「なにが」
「プリっ」

綺麗な鼻筋とか、抜け出せなさそうな目とか、さらさらの髪とか。
眼鏡がチャームポイントってなんじゃ、世の眼鏡フェチに甘い。
方言使って、眼鏡かけて、イケメンで、優男で。
女にどれだけいい格好しいなのか。ふん。

「優男ー」
「なんやねん」
「たらしー」
「おい、」
「変態ー」

本性知られたらドン引かれる癖に。
足フェチなんて気持ち悪い。
変態、変態ー。

「あ、いだっ!」
「滅多なコト言うもんやないで」
「ぴよ…っ」

女ったらし、優男、変態…!
頭の中で反芻させながら膝を抱えた。
ずるいずるいずるい、
俺ばっかりが好いとるんか、くそったれ。
女でも引っ掻けてぶん殴られちまえ。ふん。
うりうりうりうり、膝にでこを押し付ける。いたい。

「仁王、」
「…」
「仁王」
「…」
「仁王」
「…なんじゃ」

何度もしつこく呼ばれたから顔をあげ、

「ばーか」

「は?」

至極楽しそうな忍足がそれだけ言って、向こう側に向いた。
な、なんだって?
ばか?は?なんて?ばか?

「ば、ばかはお前さんじゃろうが…」
「何言うとんねん、ばかはそっち」
「ばかばかうっさ、!」
「なにが俺ばっかりーや」

ぐっ、と寄ったその綺麗な顔に思わず息が止まる。
やばい、呼吸困難になりそう。
離れようにも、何故か離れられない。
そんな、

「俺がいつお前以外をみようとしたんや?」
「俺の気持ちにも気づかんなんて、」

しにそう、

「ずっるいなぁ?」

クツクツと笑う声が耳に響いた。














フォロワ様へのプレゼント。遅くなってしまってすみません。


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