※ちゅー注意




いつの間にか姿が見えなくなっていた先輩を屋上で発見。
扉の上で膝を抱えていた。


「仁王先輩、」


よじ登って、四つん這いで近づく。
声をかけたのに返事がない。
もしかして、寝てる?


「先輩。先輩、寝てんの?ねぇ、」


つん、と指で膝をつつくと、少しだけ頭が動いて金色が俺をじっとりと睨みつけた。
起きてるじゃん。


「幸村部長も、柳生先輩も怒ってなんかないッスよ」

「…嘘吐きなさんな。絶対に怒らせた」


案外小心者。
さっきまで部長や先輩に軽口叩いてたはずなのに。
仁王先輩の中で勝手に決められた地雷を、先輩が勝手に踏んでへこむ。
誰一人として気にしないのに、先輩だけがへこむ。ばっかみてぇ。

一番怖がりの癖に。
一番弱虫の癖に。

猫みたいにしゃなり、と部室のドアから出て、誰もいなくなった瞬間から全力で逃げるとか。
ばっかみてぇ。


「嫌われた」

「ないですって」

「絶対嫌われた」

「だーかーらー」

「アイツらに嫌われたら、どうすりゃいいんじゃ」


だから無責任に大丈夫とか言うなってか。


「あ、か…」


真っ白なデコに触れるだけのキスをした。
あー本当、


「じゃあ、俺だけは何があっても嫌いにならない。これじゃあ不満ッスか?」


ばっかみてぇ。





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