※ちゅー注意









あついのぅ、俺の財布を生贄に買ったアイスを食べながら仁王先輩が呟いた。
俺はガリガリくんなのに、先輩サクレ。
今月のこずかい全部、アイス代でなくなるくそ。
レモンいらんーなんて、ぺいっとガリガリくんの上に乗っけてくるもんだからたまらない。俺の梨味!

シャリシャリシャリシャリ、ガリリ

氷をかじる音は涼しげなのに、蝉のせいで台無しである。

ガリリ、ガリリ、


「…先輩って氷ばっかり食ってますよね」

「ピヨ?」


首を傾げた先輩の口から、ガリリと音がした。


「いっつもかき氷食ってるし、先輩がドリンク作ると氷だらけだし、」


あ、この間部室の冷凍庫の氷食ってんの見ましたよ!
そういえば、ふーん、とだけ返された。え、それだけ?

シャリシャリ、シャリシャリ、ガリリ、


「のぅ赤也。氷食うヤツは貧血持ちらしいぜよ」

「は?」

「それに比べて、お前さんは目は真っ赤になるし、朝からハイテンションだし、血が多そう」


くっくっくっ、と笑う首筋が真っ白で、思わず唾を飲み込んだ。


「だ、だからって、なんなんスか…!」

「んー、俺にその血の気、分けてくれてもいいんよ」

「先輩AB型っしょ。俺B型だから無理っすよ」


無理無理。なーんかで聞いたコトがある。
けっちいの う、なんて先輩が言う。
はー、血色悪いなこの先輩は。
確かに色のうっすい唇は血が足りてなさそう。
唇の色だけ移すみたいにキスしてみた。
あ、冷たい。
少し目を見開いてから先輩は笑う。


「あっついのぅ、」










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