※ちゅー注意





いくじなし、いくじなし。
押し倒した柳生の腹に座り込んで喚き散らしてやった。
いくじなし、いくじなし!


「今すぐ降りたまえ」

「いやじゃ」


べったりとへばりつくように上半身を柳生に沿わせて、首もとに顔を埋めてやる。
うりうりすると、くいっと髪が引っ張られた。


「やめたまえ」

「いーやーじゃっ」


うりうりうりうり、
今度はドンっと体が浮いて、


「柳生に見下されとうないぜよ…」


くるり、と視界が反転した。
ずれた眼鏡をかけ直す仕草がいやに滑らかで腹が立つから、手首をひっつかんで、


「…なにをなさるんですか」

「んんーっ」


綺麗に細長い人差し指と中指をくわえた。
声を上げただけで、眉間に皺すら寄らない。むかつく。
ベロベロと舌で舐めて、吸ってやる。
ふ、と柳生の親指が下唇を這った。

ちゅーして。
さっき強請った時にはしてくれないのに。
ムードすら作ってやらんといかんのか。面倒くせぇ。
ずっぽりと口から抜かれた指をぼんやりと追いかけていると、今度は柳生の舌が唇を這った。


「っは、なんじゃ柳生。今更になって、ちゅうしてくれるんか。待たせるのぅ」


せせら笑うように言ってやると、何故だかがっしりと肩を抑えつけられた。
え?


「馬鹿なコトを。あんなコトをして人を誘って。折角我慢してたと言うのに、」


今日は許してなんかやりませんよ。
にったりと歪んだ唇に食われて、言葉の意味を知った。








突拍子もなくてすみません8/2


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