※エロ気味、露骨表現あり、シリアス










どくどくと体の中を駆け上る精子たちを感じてから、半分萎えたそれの上から退く。
狭っちい俺の家のベッドの真ん中にコイツが居座るもんだから、仕方なしに肩身狭く壁との隙間に収まった。
なんで俺が。


「あーん?なんだ、もう終いか」

「うっさい」


シーツは洗えるからいいものの、壁を汚したら洒落にならない。
さっき注がれたばかりの精子どもが出てしまわないようにぎゅっと力を入れて出口を塞ぐ。トイレ行こう。


「どこに行く」

「…トイレ」

「はん、今更掻きだしたっててめぇはとっくの昔から汚ぇんだよ」


あーキライキライ。
こういう傲慢ちきなところがキライ。
折角壁側からヤツを超えて床に足をつけたというのに、釣られるようにベッドに逆戻り。
あ、零れた。
どろり、出た感覚に背中が泡立った。


「おいおい、溢れてるぜ?」

「言うな。言わんでいい」

「まるで女のアソコだな」

「黙れ」

「もっと、」


ぐっ、と耳元に厭らしい口が寄る。
傲慢ちきは大キライ、
俺のベッドばっかり汚すのもキライ、
自分ばっかりベッドの真ん中で寝るのもキライ、
俺にばっかり動かさせるのもキライ、
キライキライキライ、
だけど、


「汚れてみろよ」


この声に無意識でも反応してしまう自分が一番キライ。
声を聞いているうちにたちあがったソレを握られた瞬間に情けない悲鳴をあげて果てた俺がキライ。



壁は汚さない。
クリーニング代が嵩むのは嫌だ。
今度コイツが俺の部屋に、俺のだった部屋にやってきた時に後悔すればいい。
浅ましく退化した俺の体がちゃんと人間の理性を取り戻す頃に後悔して、帝王らしからずに泣けばいい。












パブロフの犬ちっくに調教された仁王くんのお話。


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -