※真田×仁王ストーカー話続編








包み込むように抱きしめながら帰路を急いだ。
元より線の細い仁王だ。
気分が優れないようだと説明すれば誰しもが信じた。事実でもあるが。
さして不思議がられるコトもなく、仁王が1人でクラスマンションまで連れて帰った。



鍵を開けて誰もいない中のソファに仁王を降ろす。
鞄に入れっぱなしだった携帯電話を仁王のものと入れ替える。
しっかりとその手に携帯電話を握らせると、きょとん、とした目がこちらを見た。


「誰が来ても扉を開けるな。俺の携帯電話を置いていく。来る時は必ず連絡をいれ、」

「  や…っ!  」

「に、仁王…?」

「や、やぁ…っ、やじゃぁ…っ!さな、だ、真田…、」


ガタガタと再び震えだした体を抱きしめてやる。
このままでは、このままの状態では、


「俺を、1人に…っ、せんで…!」


仁王が壊れてしまう。








幸せな狭っ苦しさに薄ら目を開けた。
あー綺麗な顔。
ぎゅう、と抱き締められながら寝るのって本当に最高。
くそ真面目な真田は、誰よりも一直線で、何も疑わず、優しくて、なによりも、


「騙しやすいのぅ、」

あー好きじゃ、真田が好き。
ペテンを見抜けないところも、
ぎゅうと抱き締めてくれるところも、
心配してくれるところも、
もう絶対に俺から離れられないところも。


「ぜーんぶ大好きじゃぁ」


いかんいかん。
これだから失態を犯す。
真田は気づいていない。

机の中に隠したたくさんの真田の写真もバレないように隠し直さなきゃ、な。












コメントで頂いたストーカー話の続編でした。不完全燃焼。


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