なんでタバコなんて吸うん。


「根性焼きするんか」

「シマセン」


あだっ、頭にチョップをされた痛い。
脳細胞死んだらおっさんのせいじゃ。
見た目のチャラさからは分からないくらい骨ばってるんだから加減しんしゃい。
あー痛い痛い。
ふぎゅーっと丸くなって頭を抱えると煙草の香と一緒におっさんの手が頭に乗った。
ぽふぽふ。


「…なんでタバコなんて吸うん」

「なんでやろなぁ」


白い煙がふわーっと上がった。
健全な中学生の前でこれとは。
呆れた似非教師!


「うまいんか」

「どやろなぁ。吸う?」

「要らん」


阿呆者めが。お前なんぞ教会送りにされてしまえ!
噎せ返って、かっこよく吸えない自分しか想像できないから悔しい。


「うまい、なぁ。うん、うまいかもしれんな」


ぷかー、とまた白い煙を吐き出した。
どうにも短くなったのか、潰し消された煙草を見て。うまいんか。
おい煙草。お前なんかに負けたりせんぞ。
そこらにあったアルコール(煙草の次はビールか。)に手を伸ばしかけるおっさんを押し倒して、


「、」

「っ…、どうじゃ」

「どうって…」


キスをした。
あ、目まん丸。
驚き固まるおっさんにもう一回キスをする。
煙草臭い舌だ。
体に悪そうなこの舌が好きとか。
大概に俺も侵 蝕されてる。


「俺の方がうまいじゃろ?」


煙草になんか負けないぜよ。









未成年喫煙ダメ絶対


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