※曲パロ、途中
3年生は色々大変だから1階なんだよ。
少々口の悪い先生が以前仰っていたコトを思い出しながら、蟻の集るアイスの破片を見つめた。
次の先生は、あぁ、あの遅刻で有名な先生。
もう少しかかるのだろう。
席替えのくじ引きで運良く当たった窓際の一番後ろの席。
彼なら喜びいさんで枕まで持ってくるだろう。
容易く想像できるその姿に思わず口元を隠した。
この席になってからと言うもの、休み時間に現れては、クラスメイトに見つからないように時間を潰していくのだ。
今は蟻が集るアイスの破片も先刻彼が落としたばかりのもの。
やけにぼんやりとしながらアイスをかじっていたのが記憶にある。
暑いのが苦手だからか、晴れ渡った空を口を開けてみていた。
あぁ、そろそろ夏なんですね。
次にこうやって綺麗に晴れた日は、仁王くんを誘って出かけるのも悪くない。
コツンコツン、
騒がしい教室の音に紛れるように小さくノックのような音。
周りは誰一人気づかない。
鍵開いたままの窓が開くと、
「やーぎゅ」
「に、仁王くん!」
ひょこりと顔を出しながら楽しそうに笑う仁王くんがいた。
しっ、と人差し指で示して、周りの様子を窺う。
授業中なのでは?
くいっ、と片腕があがる。
「柳生、」
何故かその片手には見慣れたローファー。
…私のじゃないですか。
「海、行くぜよ」
仁王くんが楽しそうに笑うものだから、思わず頷いた。
まったくずるい人だ。
半分くらい。