※食べ物を大切に。




うげぇ、

仁王はそんな顔をしやがった。
部活が終わったから喉が乾いたんだ。
冷蔵庫にポツリと残されていた新品の牛乳をラッパ飲み。

「ブンちゃん、腹下すぜよ」

そういえば仁王が牛乳飲んでるところってみたコトがない。
水くれ、なんてかって知ったるように、いや実際に使いなれているんだが、キッチンに滑り込んでくる。
流しに向かい、俺に向けられた背中。
うーん細い。
10センチ以上身長は違うはずなのに。
空気が欲しくて口からパックを離した。あ、賞味期間明日。
なんだって、こんなに違うのだろうか。骨から細いって感じだ。
あ、

「え、」

猫背で少し低くなったその頭。
精一杯背伸びをして、

その頭の上で牛乳のパックを逆さまにした。
歪で小さな四角形から1/3くらい残っていた牛乳が落ちた。
あー、流しが真っ白。
ぽたぽたと銀色が抜けてしまったような滴。
意味が分からないという風に向けられた目。
いやだってよ、

「仁王には牛乳が足りないかなぁと思って」

骨太骨太!なんて言えば、
ぽかり、と頭を叩かれた。
あれ、牛乳って臭くなるんだっけか。









食べ物を粗末にしてはいけません。


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