うっすら開いたその唇に小さく砕いた角砂糖を押し込んだ。
寝ているのか起きているのか。
きっとコイツだって分かってない。
分かってないままに口の砂糖を溶かしきった。
いけんじゃん。
今度は砕かずに口に、一杯に詰めてやる。
嗚呼、まどろっこしい。
半分しか開いていない口を大きく大きく開かせて、もっていたポットを逆さまにした。
ばちり、と開いた金色の目をみた瞬間、思い切り壁に打ちつけられていた。いってぇ、
向こうではかつかつと床に角が当たる小さな音と、仁王がえづく音。
吐いてはないみたいだし、まぁいっか。
床に転がった角砂糖を見ながら、あーもったいねぇ、なんて呟けば、すぐに頭を叩かれた。いってぇよ。

「何すんじゃ、こんの糖分太が」
「殴るコトねぇだろぃ」
「口ん中気持ち悪い。どうしてくれるってんじゃ、あぁ?」

げぇ、とまたえづいた仁王に食いついてみた。
その舌を舐めると、ほらやっぱり。

「うまいじゃん」

旨そうな仁王がさらに旨くなった。





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