夏が嫌い。冬も嫌い。
暑いのが嫌い。寒いのも嫌い。
でも、
「あー、あの子もえぇなぁ」
女の脚ばっかり見てる野郎も嫌い。
がすり、と脇腹に肘をいれれば、焼くなやー、なんて。
ふっざけんな。
「別に焼いとらんし。キッモいて思っただけじゃ」
「失礼なやっちゃなぁ」
がさがさと頭を掻き撫でられる。
あーあーあー、嬉しくなんてない。
ふん、こんなキモい野郎に好かれなくてもいいし。
そのうちこんなヤツじゃなくてもっと大人な人を好きになる時がくるのだ。
頭を撫でていた手がそのまま2回軽く跳ねた。
なんじゃ、
「なぁ分かってないやろ」
「…なにが」
「俺のタイプの子」
「いらん」
知りたくもない、そんなドロッドロに甘い話なんて。
そっぽを向こうとしたのに、何故だか思いっきり頭をひっつかまれて動けない。痛い!
「忍足、いた、」
「俺のタイプの“子”の話やで?」
ぞわりと一瞬で立った鳥肌をどうしようもなかった。
「あー、えぇ脚」
「消えろ変態」
太もも撫でんな。