仁王先輩は暑がりだし、寒がりだし、欲張りだ。
夏はアイスが欲しいって強請られて何回もコンビニに行った。
おかげで財布は空っぽで、先輩の分のガリガリ君しか買えなかった。
冬は冬で、

「赤也、足が冷たいなり」
「ちょ、仁王先輩!足冷たいっす!」

寒がりの癖に素足でフローリングを歩くから。
ジャージ1枚通しても恐ろしく冷たかった。
その異様な冷たさに思わずその足を剥がすと、赤也のばかぁ、薄情者ぉ、なんて泣き真似。
この人、厄介以外のなにものでもないんじゃないか。
再びくっつけてきたそれを、今度は素手で掴んでやった。
やっぱり冷たいものはつめたい。
まるで氷か何かのようだ。あー冷たい。
俺の手は冷たくなるし、総じて俺の体から熱がなくなっていくのに、きっと俺の手が温いんだろう。
仁王先輩はほっとした顔をしていた。
…なにそれ、可愛いじゃん。
仁王先輩ばっかりいい思いして、ずるいんじゃないっすか?
俺にもご褒美ちょーだい。

「…?!あ、かや…?」

触れるだけのキスをした。
徐々に赤くなっていく仁王先輩を見て、くっそやっぱり可愛い。
ぎゅむ、と抱きつけば、

「これで寒くないッスね!」
ドッドッドッドッ、なんて早い心拍。
ニヤリとすると頭を叩かれた。





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