※暴力、流血表現



仁王を殴った。
そしたらヤツは簡単に倒れたし、血が混じった唾を吐いた。

「なぁ分かった?」

だって仁王が馬鹿だから。
どれだけ俺が愛してやってるか分からないから。
だから殴る。

最初に殴った時は怒ったっけ。
次に殴ったら止めてって泣いた。
そして今は、

「なに?その目」

ただじっとりと怨めしそうに俺を見上げるだけ。
また伝わってないのか。
腹が立ったから起き上がらない仁王の腹に蹴りをいれた。
あーあー、不様ったらありゃしない。
なぁ、分かる?
全部お前が悪いワケ。
俺が殴るのが元凶じゃない。
お前が俺を好きだって言わないからいけないの。
銀色の髪を引っ付かんで顔を上げさせれば、金色の目が、まだ怨めしそうに見ていた。

「分かってんの?」

ガムを膨らます。
ぱちん、と割れた。

「分かりたくもない」

げぇ、
まだ分かってないってか。





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