※献上品のため黄瀬攻め








「あっれぇ、ショウゴくーん」

ドッ、と肩に衝撃を受けて思わず傾いた。
聞きなれた声にぎょっとして振り向けば案の定くそ黄色。
ニタニタ笑いやがって気味悪ぃ。
素直にどん引けば、ニッタァとさらに笑いを深くした。

「なんか用かよ…、リョータ」
「はぁ?用があるのはショウゴくんっしょ?」

ねーよ。
今は落ちそうで落ちないギリギリラインの女を落とすゲームして遊んでんだから邪魔すんじゃねーよ。
リョータが来たせいでさらに形勢は悪くなっている。
めっちゃ見てる。リョータのコトすっげぇみてるし。
これで落とせなかったら覚悟しとけよリョータ、くそリョータ。

「で、なんだよ」
「昨日の。オレ、やってあげてもいいッスよ」
「はぁ?昨日?」
「そ、昨日の」

意味が分からん。
昨日は学校来て、ゲーセン行って、飯食い損ねて空腹で寝た。
それ以外には何もしてないし、リョータと会話すらしていない。むしろすれ違ってもいない。
昨日の。意味ありげに発せられたそれに心当たりは全くない。

「オレだって、戸惑ったし怖いんスよ…」

でも、やっぱり部活の仲間なワケだし…、ショウゴくんを助けると思って…!
耳元で響く演技臭い台詞に辟易するも、やっぱり目の前の女は完全にリョータに視線を奪われている。
ざけんなよ、リョータ。オレのオモチャが!
とりあえず離れろ、と押すも何故だかがっちりと掴まれてさらに密着。気持ち悪ぃ!
そろそろ鳥肌がサメ肌になりそうだ。
グイグイと腕に力を入れて押しまくる。
フッ、

「ぎゃあ!」

耳に!耳に今なんかかかった!サメ肌を一気に越えたオレの肌は今一体何肌なんだろうか。
なにしやがる!
振り向いた目の前に(近すぎねぇか、)リョータの顔があった。

「ショウゴくん、男にセックスしてもらいたいとか、本当スキモノ」

なんスね。

キラースマーイル。
いや違う。何かが違う。意味が分からないリョータの発言に頭の中は大パニックだ。
日頃使っていないから?それだってオレも人間なワケだからそれなりに働くわバカ。
オレが?男に?セックス?

「は、はぁああああ?!」
「突然そんなコト言われたって…。オレはノンケだし」

どうしていいかも分からないし…。部活の仲間は大切なんスよ…。だから、

「ショウゴくんの願い、聞いてあげるコトにしたんスよ!」

オレの中で何かが壊れる音がした。
いたはずの女はいなくなってるし、これは完全にやらかしてる。

「なーんて、ね」

ケラケラと笑いながら去って行くリョータめがけて猛ダッシュしたのは、何も悪くないと思っている。

(「オレは女好きだ!」「あらぬ誤解を産んでるけどオッケー?」「あああああっ!」)










下手な鉄砲も数撃ちゃあたる献上品パート2

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -