※献上品のため黄瀬攻め。









懲りたらもう手ぇ出すんじゃねぇぞ!

寄ってたかってぶん殴るとか、餓鬼のするコトじゃねぇんだから。
セーセードードー、一人で殴り込みに来いってんだ。
女を取ったとか取られたとか。そんなヤツ。
5人のお友達を連れてきたソイツの名前はもちろん、顔すら知らねぇ。
勝手にノコノコ引っかかった女のバカ彼氏らしい。
さすがに体が痛い。
ザコはザコでも5人もいればそれなりに当るわな。
鳩尾への一発がなかなか効いた。
部活。行けそうにねぇな、フケよ。
このザマじゃあ、ゲーセンも行けねぇじゃねぇかくそが。

「あー!いた!」

5名サマの消えた方から聞こえてきた声にさらにムカつきが増す。
くそが、口の中で悪態を吐くも、何故かオレには分かってます顔。
何、地獄耳?はてはエスパー?はっ、最近のモデルって万能かよ。

「部活始まるッスよ、ショウゴくん」

よいしょ、と視線を合わせるようにしてしゃがみ込むリョータから視線を外す。
ムカつく。笑顔なのがさらにムカつく。
そこらのヤンキーよろしく股を開いている癖に、腿に立てた肘、腕に乗せた顔はウザい程整っている。
うそくせー笑顔。
口の中が不愉快で唾を吐くと、血が混ざっていた。最悪。

「うっわ汚っ。止めてよ」
「テメェには関係ねぇだろ」
「オレにちょっとでも着いたらどうしてくれんの」
「知ったこっちゃねぇよ」

馬鹿かテメェは。
そう言い終るか終らないかの内に顔の真横にコンクリート片がぶち当たった。
スゥッ、と背筋が冷える。

目の前の男は、腹が立つほど綺麗だが性根は腐りきっている。

「分かる?」
「…」
「オレにとっては、ショウゴくんがどうなろうが知ったこっちゃないんだよね」

分かる?
直前に聞いた言葉がもう一度降ってくる。分かりたくねぇよ。

「ショウゴくんとオレと。比べなくても分かるじゃん」

眉根は中心に寄せられてグッと上に上がっている。
眉尻は必然的に下がって、特徴的な目は弓なりに細められた。
犬みたいに色んなヤツの名前を呼んでいる口はググッと口角だけ上がって、ムカツクほど完璧な角度で見下される。
えげつない。その一言に尽きる。

「どっちが正しいでしょーか」
「…このゲスが」

なんとでも言えばいいッスよ!
パッと表情を変えて手を振りながら去って行く姿にいつの間にか入っていた力が抜けた。



(あれを知ってるのはオレだけだとか。)













下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる作戦で献上品その1

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