※エロ














同じくらいの体格で、体力だってそこそこ。
なのに、もうオレはへとへとだった。

「い、あぁ…」
「くっ、う…」

火神っちが震えたかと思えば、ごぷりごぷりと中に射精をされる。
とうの昔に何もでなくなったそこは、もう空イキを何度繰り返したか分からない。
強すぎるキモチヨサに、目の奥はちかちかして、頭はがんがんした。

「は、ぁ…、」
「黄瀬…」

未だに欲の塊は突き刺さったままではあるが、触れるだけのバードキスをされてピロートークが近いコトを悟る。
それと同時に力の入らない腕で火神っちの胸を押した。(胸板厚い。)
体力の尽きたオレと、まだまだ余力のある火神っちじゃあ、勝負にもならない。
もしかしたら添えたと間違えられるくらいの抵抗だったかもしれない。



バードキスがだんだん長くなっていく。
唇を食らうように食んでは角度を変える。
そのせいでオレの唇は多分てらてらに光っているんだと思う。
整わない呼吸は口を開けないと生きていられないくらいにひどいものだから、キスの間にもぽっかりと口を開けなくてはならない。

「んっ、く…」

ねぶり取られるように絡められた舌。
アツイ。無骨でバスケバカの癖に、ぶきっちょな癖に。
こういうところだけ異常に上手いのは納得がいかない。
帰国子女ってみんなこんなもんなの?とは誰にも聞けないし、偏見もいいところだ。
誰と練習したんだよ、と問い詰めたい気もするけれど、これで女の子とか言われた日には立ち直れないんだから聞かないコトにする。

火神っちのキス。

オレが阻止したかったのは、これだ。
ただでさえ、正常に働かない頭を酸欠でもっと狂わせる。下手したら気絶しそうだ。
今だって意識が遠くなってきた。
底をついた体力を一瞬だけ振り絞って、火神っちの肩を押した。

「…黄瀬?」
「ちょ…、タンマ…」

ぜぇぜぇと息を吸い込むと、ようやく頭に酸素が行き渡るここちがする。
そんなオレを見下ろしていた火神っちが、また顔をこっちに寄せるから、慌ててその両頬を挟んで止めた。

「待って、」
「無理」
「や…っ、オレ死んじゃう」
「物騒なコト言うなよ」
「と、とにかく待って!」
「なんでだよ」
「うっ、それは…」

言葉に詰まる。
言わねーならする。ぐぐっと力が入ったのを手で感じて慌てて口を開く。

「か、火神っちのキス…、やばいんスよ」

長いし、熱いし、なんかエッチだし。オレなんか、セックスでへとへとなのにキスで体力削られたら、えぇと、その、ピロートーク出来ないっていうか。あ、でも、愛されてんなーって思うから火神っちとのキスは好きなんッスよ。だから、その、あー、うん…、

「今は、もっと、カワイイやつが、いい…」

そこまで言い切って火神っちの頬に当てていた手で、今度は自分の顔を隠した。恥ずかしい!
頬はもちろん、全身が熱い。
一体オレは何を口走っているんだ。

「っ?!」

一刻も早くこの空気から抜け出したくて体を捻るとなぜだか中を擦られる感覚に腰が跳ねた。

「えっ、ちょ…」
「わりぃな…、」
「火神っち…?や、あ…っ!」
「あんま、煽るんじゃねーよ…っ」

ぐん、と突き上げられた腰に枯れかけた声で喘ぐ他にすべきコトはなかった。
少しだけ赤い頬に触れれば、片手を取られて口付けられた。

アツくて長いキスの代わりに、めちゃくちゃに抱かれて、結局ピロートークもできなかった。

(「…」「悪かったって」)










火黄のセックス中のキス

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