※特殊設定









「な、何言ってんだよ。テツが、黄瀬はβだって言ってただろ」
「しかし、黄瀬がΩならばお前たちのその反応を説明するコトができる」
「今まで…、今までそんなコトなかったじゃないですか!」
「後天性、というコトになるかな」
「血液型は成長すると変わるコトがあるらしい。それと同様に、今まで隠れていたΩの要素が強く顕れてきたのかもしれない」

食って掛かるオレとテツに、緑間と赤司の回答は冷静だった。

「そんな、そんなコトある訳…!」
「ならば青峰、火神。黄瀬に近付いてみろ」
「ぐっ…、」

黄瀬がΩだと?ある訳がない。
さっきのは香水とかそんな感じのもんで。黄瀬が気絶したのも疲れが貯まっていたからに違いない。
ひとつ息を吸い込んで、一歩前に足を出した。

途端に広がる強いニオイに思わず息を止める。
嫌なニオイじゃない。
だが、このニオイを吸い続けるのはまずい、と体が勝手に判断した。
じりじりと横たわる黄瀬との距離を縮めれば、ニオイだけじゃない。
アツイ、ねっとりとした空気感に頭がボーッとしてくる。
目の前の黄瀬が旨そうに見える。
コイツを食ってしまえと誰かに言われている気がする。

Ω。オメガ。

その言葉が頭に浮かんだ瞬間に思わず飛び退いていた。

「火神!」

オレが黄瀬と距離を取ったのと、緑間が火神を押さえ付けるのは同時だった。
冷たい空気を吸いながら見たものに愕然とする。

「火、神…くん?」

隣でテツが信じられない、と首を振っている。
目の前の光景に、嫌な汗が止まらない。
緑間と赤司に押さえ付けられ、黄瀬から離される火神の目は完全に獣のそれだった。
オレよりも距離を取った火神がだんだんと落ち着き、自分の行為に気づきて膝をつき頭を抱える様を見て、確信する。

「オメガ…、」
「理解できたかい?」

正直、オレたちもあまりいい状態ではない。
そういう赤司も、少し苦しそうだった。

「青峰くん。一体何が…」
「黄瀬は、」
「Ωだ…」














後天性オメガ

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