「はい、付き合ってます」


黒子くんはまっすぐ桃井さんを見て言った。黒子くんがそう言った瞬間、桃井さんはキッとわたしを睨みつけ、指を指して言った。「この!地味な女の!どこが好きなのテツくん!」うーん、桃井さんひどいなぁ。わたしは苦笑いをした。確かに、地味だ。地味でも地味なりに可愛くなろうと努力している最中である。桃井さんは可愛いし、良く喋るし、スタイルいいし、頭もいいからきっとモテるんだと思う。でもわたしはわたしなりに、頑張ってるんだ。自分に自信ないし、わたしなんかが黒子くんの彼女でいいのかな?と思っちゃうこともある。それでもわたしは黒子くんが好きで、黒子くんの彼女でいたいんだ。桃井さんが可愛くて、桃井さんの方が黒子くんに似合っていたとしても。


「私のほうが!バスケも詳しいし、胸も大きいし、」
「ずっとテツくんを好きで」
「好きで」



静まり返った部室。
立ちすくむみんな。
啜り泣く桃井さん。


「私の方がテツくんを好きなのに」
「異議あり!わたしの方が桃井さんよりもずっと黒子くんを好きです!」
「なによ!私の方が!」
「それは認められません。わたしの方が上です」


わたしは黒子くんが好き。ずっとずっとずっと好き。たくさん好き。それだけは、桃井さんに負けない。


「ごめんなさい、桃井さん」と黒子くんが深々と頭を下げた。そしてそのまま「僕は木村さんが好きです」と言った。黒子くんが頭を上げた後、桃井さんは両手で顔を覆い、その場に座り込んで泣き始めた。


「そんなのわかってたわよー!!」


そして駄々っ子のようになった。青峰くんがため息をついた。


「と、とりあえず黒子っち争奪戦・・・」
「木村の勝ちってことで」


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