「今度こそ最終決戦ッス!」
「舞台は男子バスケ部部室!」


バーン!と小池くんが男子バスケ部の部室の扉を開いた。・・・汚い、汚すぎる。足の踏み場はほとんどなし。ボールと、バスケの雑誌と、バッシュと、スコアブックと、ジャージと、掘ればまだまだ沢山あるみたいだ。色とりどりの髪をした皆さんはドン引き。わたしと桃井さんも若干引き気味で、後ずさりをした。火神くんは気にせず「最近忙しくて気が着いたらこうなってた」と言った。いや、忙しくてどうしてこうなるんだ・・・。


「部室を半分に区切って、早く、なおかつ奇麗にした方が勝ち!」
「審査員は火神っちッス!」
「俺?なんで巻きこまれてんだ?」
「ここで出会ったが百年目ッス」
「意味わかんねーし」
「よーいスター「何やってるんですか」


「黒子くん!?」

「黒子っち!?」
「テツくん!?」
「テツヤ?」
「黒ちん!?」
「テツ!?」


スタートがかかろうとしたまさにその瞬間。バスケ部部室の入り口から、黒子くんの声が聞こえた。気配なかったよ今・・・!ミスディレクってたんですか。色とりどりのの髪の毛をした皆さんも黒子くんの登場には驚いたようで、みんなが黒子くんの名前を呼び、そして黒子くんを凝視していた。黒子くんはというと、びっくりした様子はなく、普段通りの顔をしてわたしたちのことを見ている。


「みんなそろって何をしてるんですか?」


誰も何も言えずにいると、黒子くんがもう一度口を開いた。今日のことを黒子くんに伝えた人は誰もいないのだと、わたしはやっと知った。知ってたら最初から参加してたか。みんな口を濁して、「いやーあの、ねぇ」と小池くんが言う。それに合わせて黄瀬くんが「プチ同窓会ッス!」と言った。


「小池くんと知り合いなんですか?」
「そうそう!ちょっと仲良くなって!」
「木村さんも一緒・・・仲間外れですか、ボク」
「えっ」


急にしょんぼりした様子の黒子くんに、みんながまた驚く。いやいや、仲間外れというか、仲間外れじゃないけど・・・。なんて言ったらいいんだろう。黒子くんはどうしてみんなが一同に会しているのか、わかっていない。わたしと桃井さんが黒子くんをかけて戦っているということを、知らない。その黒子くんに、何を伝えたらいいんだろう。そうわたしがまごまごしていると桃井さんは一歩前に出て、黒子くんに言った。


「この人と付き合ってるの?テツくん」


黒子くん以外の全員が、息を飲んだ。


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