「最後の戦いッス!」
「最後は赤司とオセロ対決だよ」
「えっわたしと桃井さんが戦うんじゃないんですか?」
「はじめはその予定だったんだけど、赤司がやりたいって言うから」
「赤司っちに勝った方がこの勝負勝ち!」
「今のところ引き分けだから、これで決まるんだからな」


そう言えば三回戦目のときに赤司くんVSその他男子諸君でオセロしてたなぁと思い出す。オセロは好きだし、ネットでよく対戦してたから弱くはないけど、赤司くんの強さが分からない。体育館に椅子と机とオセロが二つ用意される。


「もしかして赤司くんは同時に私と木村さんとオセロするの?」
「そうだ。ハンデが必要だろう」
「つまり赤司くんは強いということですね」
「そうだ。オセロで赤司の右に出る者はいないのだよ」
「カレーのときやってたけど、誰も勝てなかったし」
「五人でかかっても勝てなかったからな」


いやいやいやいや、勝てるの?コレ。いや、勝てるのか、じゃなくて、勝たなくちゃいけないんだ!赤司くんは黒で先攻、わたしと桃井さんは白で後攻だった。後攻のほうが歩がある。体育館は珍しく静かで、みんながこの戦いの行く末を見ている。これが最後の戦い。もし、わたしが負けてしまったら。もし、桃井さんが勝ったら。わたしと、黒子くんは。

そんなもしのことなんて考えたくない。集中してオセロしなくちゃ。

赤司くんの強さはとんでもないものだった。ネット上で戦っただれよりも強い。わたしが四つ角取ろうがお構いなしな強さだ。わたしと桃井さんを同時に相手にしているのに。ぎり、と拳を握りしめる。ああ、ダメだ、赤司くんには勝てない。そう気が着いたのはわたしだけではなく、桃井さんも同じだった。一応最後まで戦ったが、勝敗は一目瞭然。わたしと桃井さんは負けた。


「四回戦目まで引き分けで、この勝負二人が負けたってことは・・・」
「つまり、引き分け、ッスね」
「どうすんのこれ」
「赤ちんちょっと手加減したらよかったんじゃねーの?」
「俺が勝つことは当然のことだよ」
「こうなることはなんとなくわかってたじゃねぇか」


男子諸君がどうするか、と話し合っている間、わたしと桃井さんは落胆していた。

一回戦と四回戦は桃井さんが、二回戦と三回戦はわたしが勝っていた。そして最終対決である五回戦目。わたしと桃井さんは赤司君に負けた。黒子くんを桃井さんに渡したくないのに、赤司くんに勝てなかった。


「簡単なことなのだよ」
「緑間っち、名案があるんスか?」
「もう一回何かすればいいのだよ」
「何かって、何」
「ここで何やってんだ?お前ら」
「火神っちこそ、どうかしたんスか?貸し切りッスよ今日」
「いや、自主練で使いたいから、体育館」
「思いついた」
「小池っち、名案が!?」
「男子バスケット部部室掃除対決!」
「はぁ!?うちの部室掃除対決ゥ?」


どうやらもう一勝負することになったみたいです。
わたしと桃井さんは目を合わせる。もう一度桃井さんと勝負できる。今度は負けない。


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