「一回戦目!筆記試験!」
「審査員は緑間っちッス!」


緑間っちと呼ばれた人が眼鏡をくいっとした。「緑間だ。よろしく」とわたしに一声かける。小池くんと黄瀬くんがガタンガタンとどこからか机と椅子を持ってきて、そこにわたしと桃井さんを座らせる。緑間くんがプリントを裏返しにして机の上に置き、「今から20分間でこの問題を解いてもらう」と言った。ストップウォッチを片手にスラッと立っている。


「始めと言ったら裏返しになっているプリントを表に反して始めるのだよ」
「わかってるわよ」
「桃井、今日はピリピリしているな。おは朝占いによると今日の運勢は・・・」
「緑間っち、ほらほら時間押してるから」
「わかったのだよ。では、始め!」


やっぱり旧知の仲っていいなぁ。仲良さそうだもん。黒子くんがここに居たら馴染めるんだろうけど、わたしは馴染めない。うーん。おっと、早く問題解かなくちゃ。チラリと桃井さんを横目で見ると、さっそくプリントを表に反している。そして、大きく目を見開いていた。なになに、問題に何が起きているの。わたしも急いでプリントを返し、名前を書いて問題を読んだ。



問1 仕事中、蚊に刺されないのは次のうちの誰だ
@ エレベーターガール
A 銀行の受付
B カウンセラー



まさかのなぞなぞ!?てっきり五教科とかの問題出されるのかと思ってた!と、とにかく解かなくちゃ・・・。焦っていると隣で桃井さんが「何これ!?」と言った。うんうん、言いたくなる気持ちもわかる。緑間くんは「昨日問題を作ったのだよ」と誇らしげに笑う。桃井さんは悔しそうな顔をして、もう一度プリントを睨んだ。問題はすべて三択で選べるようになっていたので、正解率は1/3だ。これならなんとかなるかもしれない。当たり前だけど、全部の問題はなぞなぞだった。20分はあっという間に過ぎていき、「終わり」と緑間くんが声をかけるギリギリまで問題を解き続けていた。なんとか最後の問題まで行ったけど、どうなることやら。


「じゃあプリント回収。さくっと採点するぞ、緑間が」
「小池はしないのか」
「うんしない!頑張れー」
「頑張れ緑間っちー」
「黄瀬もか。仕方ないのだよ」


緑間くんが採点をしている間、わたしと桃井さんは椅子に座ったまま、じっとしていた。実はわたし、相当緊張しているらしい。手がしっとりと濡れている。


「よし、終わった。では結果を発表する。50点満点中、桃井45点」
「おー桃井さんすげー」
「木村さん42点」
「うわっ・・・」
「という結果になったのだよ」


・・・負けた。たった二点だけだけど、負けは、負けだ。悔しい。でもまだ一回戦目だ。次がある。視線を感じて、その方を向くと桃井さんが勝ち誇った顔をしてわたしを見ていた。・・・次は負けない!!


他の集まった色とりどりの髪の毛の人たちは飽き始めたのか、バスケをして遊んでいる。小池くんが「おーい、結果出たぞー」と言うと黄瀬くんがやってきて「じゃ、二回戦目やっちゃいますか!」と言った。イケメンシャララスマイルを振りまいて。






(なぞなぞはT&Yなぞなぞさまよりお借りしました。ありがとうございました)


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