やってきました金曜日。誠凛高校第一体育館を貸し切り、わたしとピンクさんの戦いがいざ始まらんとしていた。ガランとした体育館にわたしとピンクさんと小池くんと、色とりどりの髪の毛をした人たち。黄色いひとだけは知っている。モデルの黄瀬くんだ。あ、でも他の人たちもバスケの大会で見たことがあるかもしれない。


「ということで、司会進行は小池と!」
「黄瀬が務めさせていただきまス!」
「小池くん、わたし目の前に居るみなさんのこと知らないんですけど」
「大丈夫、俺もだ。黄瀬だけは知ってるけど」
「俺と小池っちは知り合いなんスよ」
「そうそう、カラオケで仲良くなったんだよなー」
「いやぁ、あの時は助かったッス」
「あの時ってなんの話なのだよ」
「東京で撮影があったんだけど、打ち上げでカラオケ行ったら面倒な人に絡まれて」
「そんで隣の俺たちの部屋に逃げ込んできたんだよなー」
「そうそう、それで仲良くなったんスよ」
「小池くんはなんでそんなにすぐ友達ができるんですか?」
「友達いないのはさつきも一緒だろ」
「・・・うるさい」
「まさか赤ちんが来るとは思わなかったよー」
「春休みだってこともあって東京へ遠征に来たんだ」
「なるほどねー」
「京都土産だ。後でみんなで食べるとしよう」


ああ、思い出した。黒子くんの元チームメイトのみなさんだ。ここでプチ同窓会みたいなことが開かれているけれど、黒子くんの姿はない。わたしも、小池くんも、ここにいるみんなも、決闘のことは黒子くんに伝えていないようだ。黒子くん・・・今日は部活がお休みらしいですが、何をしているのですか。会いたいです。


「じゃなくて!今日は私と地味子の決闘の日でしょ!」
「ああ、忘れてたッス」
「忘れないでよ!」
「じゃあとりあえず、木村と桃井さん握手ー」


小池くんに言われて右手を差し出すと、桃井さんと呼ばれたピンクさんは腕組をして、わたしのことを見下した。こここここここわい。もちろん握手なんてしてくれるわけなく、わたしは右手を下した。と、とりあえず自己紹介しなくちゃ。わたしは地味子なんかじゃない。黒子くんの恋人なんだ。


「木村アミです」
「桃井さつき」
「あの・・・負けません」
「私だって」


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