Act.1
「と!いうことで!」
「で?」
「黒子くんの誕生日プレゼント買いに行きますよ、小池くん!」
「俺と?」
「ええもちろんです。わたしには友達と呼べる人は小池くんくらいしかいませんので」
「いい加減友達作れよ・・・」
「わたしも友達ほしいです」
「しょうがないから付き合ってやる、今回だけな!」
「あああありがとう!!」


Act.2
「黒子くんの好みが分かりません・・・」
「俺も・・・」
「だめだめじゃないですかわたしたち」
「木村は彼女なんだから俺よりも黒子のこと詳しいだろ」
「そうですけど!黒子くんが欲しいものとか見当もつきません」
「喋ってるときに アレ欲しいとかコレ格好良いとか言ってなかった?」
「黄瀬くんが格好いいと言っていました」
「黄瀬ってキセリョ?モデルの?」
「同中だったらしいですよ」
「マジで」
「マジで」
「じゃなくて!俺たちが探してるのは黒子へのプレゼントだろ!」
「そうだった!ほらほら行きますよ小池くん!」
「どこ行くんだよー」
「どこかへ!」


Act.3
「これとか?」
「似合うかなー」
「これなんてどうでしょう」
「えー」
「じゃあコレ」
「本気?」
「・・・だって分かんないんだもん!」
「よーく思い返してみろよ、なんか言ってたかもよ」
「わかりました、思い出します」
「うんうん」
「うーん」
「どうだ?でてきたか?」
「あっ!こんなのはどうでしょうか」
「なになに?」
「わたしにリボン巻いてわたしがプレゼントです!っていうありがちな・・・」
「キャラ崩壊してるぞ木村」
「やっぱりないですか」
「ない、それはない」
「本格的に困りました」
「とりあえずマジバでも行って一回落ち着こうぜ」
「そうしましょう」


Act.4
「つーか黒子っていつ誕生日なの?」
「明日ですよ」
「明日ァ!?」
「ええ明日です」
「行動に移すの遅くね?」
「誕生日知ったの昨日です」
「遅いよ・・・」
「わたしもそう思います」
「さてどうするか。プレゼント」
「うーん。色々考えたんですけど、リストバンドとかはどうでしょうか」
「あー部活のとき毎回してるしな」
「そうでしょう?」
「良いと思う」
「よし、買いに行きますか!」

「何してるんですか二人とも」

「く、黒子くん!?」
「黒子!?部活は!?」
「今日は早く終わったんです」
「知らなかった・・・」
「わたしもです」
「で、二人で何してたんですか?」
「黒子くんの誕生日プレz「馬鹿言うな!」
「誕生日・・・?」
「な、なんでもない」
「なんでもないです」
「ああ、そう言えば今日ボク誕生日でした」
「・・・今日?」
「1月31日、ボクの誕生日です」
「えええええ!?」
「木村明日って言ってただろ!」
「明日じゃないんですか黒子くん!」
「今日ですよ」
「ごめんなさい、勘違いしてました」
「別にいいです」
「怒らないでください」
「怒ってないです」
「絶対怒ってるだろ黒子・・・」
「許してください・・・」
「怒ってないですって」
「俺は退散しようかなーじゃあねー」
「に、逃げ足の速い・・・!」
「木村さんは逃げませんよね?」
「逃げませんとも(カミサマ黒子くんが怖いです)」


Act.5
「で、二人で何してたんですか?」
「黒子くんの誕生日プレゼント探してたんです」
「なるほど、じゃあなんでマジバにいたんですか?」
「結局プレゼント思いつかなくて、休憩してました」
「ボクがよく通ってるの知ってますよね」
「知ってます」
「はぁ」
「(ため息!!)」
「プレゼントはいいです」
「なんで!?」
「別に欲しくないです」
「ごめんなさい」
「なんで謝るんですか?何に対して?」
「プレゼントなくて」
「謝るなら二人でデートしてすみませんって気持ちを込めて謝ってください」
「え?」
「プレゼントがないことよりも、木村さんがボク以外の男性と二人で遊んでたことの方がずっと嫌です」
「相手は小池くんですよ?」
「だからですよ。木村さんの馬鹿」
「すみません・・・」
「ほら、帰りますよ」
「帰るんですか?」
「・・・手、繋いでくれたらいいです」
「手?」
「それが誕生日プレゼントってことで」
「そんなのでいいんですか?」
「そんなのって・・・」


Act.6
黒子くんの冷えた手とわたしの温かい手を繋ぐ。わたしの温かさで、黒子くんまで温まってくれたらいいなぁと思った。
そう言えば小池くんが「黒子を引きとめて、3秒目を瞑れ」って言ってた。某少女漫画もそんなことしてた。
人通りの少ない帰り道。手を繋いだままわたしだけ立ち止まる。黒子くんが振り返ると同時に目を閉じた。あと3秒、2秒、1秒。

「痛い!」
「何してるんですか、木村さん」
「デコピンは痛いですよ」
「今のは木村さんが悪いです」
「なんでですか」
「・・・秘密です」

黒子くんは秘密が多い。

「あえて言うのならば、心の準備をさせてください、ということでしょうか」

そっか、じゃあ家に着く少し前、もう一度試してみよう。それで心の準備ができていたのなら、きっとそれは


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