お付き合いをしてから、黒子くんの部活がオフの日は一緒に帰ったり、たまに朝練が終わる時間に登校して、教室へ一緒にいくようになった。その度黒子くんに、いつわたしを好きになったのか聞いたけど、教えてはくれなかった。拗ねた振りをしたら「すみません、でも恥ずかしいんです」と言われてしまい、わたしは聞き出すことをついに諦めた。いつ好きになったかなんて分からなくても、今現在黒子くんはわたしを好きでいてくれている。そのことの方が重要だ。

一緒に居る時間は、そんなに長くない。黒子くんは部活が忙しいし、朝も夜も練習していることが多い。わたしはバスケのこと詳しくないから、これから勉強していこうと思う。黒子くんが打ち込むものだから、わたしも知りたい。わたしたちは同じクラスになってまだ半年くらいで、知っていることよりも知らないことの方がたくさんある。好きになったのだって、ほんの最近。お付き合いだってつい先日から。もっと黒子くんを知りたい。そしてもっとわたしのことを知ってほしい。




学校について下駄箱を開ける。内履きに足を入れて、教室へ向かう。席替えをして数か月。色んな事があった。黒子くんがわたしの後ろの席に、小池くんがわたしの隣の席になって、お喋りするようになって、仲良くなった。定期テストの点数見せ合ったり、靴隠されたり、文化祭準備で力を合わせたり、女の子に呼び出されたり。そして、黒子くんを好きになった。もし、あの席じゃなかったら、今の私はいないんだろう。そのことを考えると、少し怖くなる。

教室について、自分の席へ向かう。机に鞄を置いて、後ろの席を見た。


「おはようございます木村さん」
「黒子くん、おはようございます」
「今日部活がオフなんですが、一緒に帰りませんか?」
「もちろん、喜んで」



うしろの席の黒子くん




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