「うーさむいさむい」


お風呂上がり、体が冷える前に布団にもぐろうと思い、真っ暗な部屋で、お布団めがけて真っ直ぐ歩いた。だいたいいつも俺が眠る時間になるとウサ吉が布団を温めていてくれる。今日もそのはずだと思い、「ウサ吉〜おまたせ〜」とか言いながら「布団温めてくれていたかい?」なんて聞きながら布団をめくる。よっこいせと布団にもぐり、ウサ吉を撫でようと手を伸ばしたら「!?!?!?!?」ウサ吉ではない感触。


「アミじゃないか」
「うん」
「ウサ吉は?」
「わたしの足もとで寝てるよ」


そうかそうか、なんて相槌を打ちながらさりげなくアミの頭の下に腕を滑り込ませると、アミは俺の胸におでこをぴったりくっつけた。


「珍しいな、こっちで寝るなんて」
「うん。今日は寒いから」
「そうか」


一緒に住んでいるけど、寝るときはほとんど別々。発端は俺のいびきがうるさいとか、夏に同じ布団で寝るのは熱いとか、そんなことだったような気がする。アッチの方もこのごろご無沙汰だ。アミの髪の毛を撫でると俺と同じシャンプーの香りがして、つい反応してしまう。


「・・・おっきくしないでよ」
「アミが何も言わずに俺の布団にいるから」
「へんたい」


足もとでもぞ、と何かが動いた。ウサ吉だろうか。
アミはやりたくないんだろうなぁと思い、髪の毛を撫でるのをやめる。これ以上撫で続けていたら理性とかそういうのがどうでもよくなってしまいそうだから。そうするとアミは俺の胸にぴったりくっつけたおでこを擦りつけるようにして言った。「もうちょっと、撫でてくれない?」


「これ以上撫でてたら、我慢できなくなりそうなんだ」
「いいよ」
「ん?」
「我慢しなくて、いいよ」


そんなこと言われたら、髪の毛撫でるくらいじゃ済まなくなるんだけど、それでもいいのかい。
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