わたしの背が、青峰くん位高かったら
夜空の星の掴み取り、できたのかな。




いつも青峰くんがストリートバスケをしている公園も、今日は雪で埋もれて真っ白だ。まだ誰も足を踏み入れていない白い絨毯に足跡を残す。雪が降るなんて、こんなに積もるなんて。積もったといっても3センチくらいだけど。夜になったらいきなり寒くなったもんなぁ、雪にわたしの足跡が残るさまはなかなかどうして楽しいものなんだろう。水を多く含んだ雪だから、きっとすぐに溶けてしまう。雪に体を沈めて、空を眺めてみたい。3センチの雪じゃ体を沈めることはできないけど、ただ空を見ることは叶う。そんな事を思い空を見ると感嘆の声が漏れてしまいそうなほど、星が降ってきた。そうだ、今日はしぶんぎ座流星群の降る夜、だ。思わず手を伸ばす。しかし空をつかむことはできず、わたしの拳は空を切った。



「アホヅラ」聞き覚えのある声が、響いた。声のした方を向くと、そこには予想通りの人物が立っている。わたしは彼の名前を呼んだ。「青峰くん」嬉しそうに彼は笑った。片手にバスケットボールを持っているということに気がつく。まさかこの雪の中するわけじゃないよね。ツルっと滑りそうだし、積もった雪の上じゃドリブルも満足にできないだろう。


「デケェ口開けてるとそん中に星入んぞ」
「まさかー」
「だな」


シュルシュルと自在にボールを操る青峰くんはそれはそれは格好良くて、わたしがそう思っていることを知ってる青峰くんはわたしを翻弄するようにボールと戯れる。ああ、そのボールになりたい。(いや、冗談です)


「わたしが!」もし青峰くん位背が高かったら、一番星捕まえて、願い事を唱えるんだ。

「青峰くんを好きだと言ったら」でも青峰くん位背が高くなっちゃったら、かっこいい女のひとにはなれるかもしれないけど、かわいい女の子にはなれなそうだなぁ。

「青峰くんは、どうする?」


青峰くんがどうかどうかすきになってくれますように って ねがいごとを。




「どうするも何も、」

そのデケェ口は俺のもんだ。そう言って青峰くんはわたしにキスをした。さっき上を向いてたからポカーンと口開けてたけど、閉じたらそんなに大きくないよ、わたしの口。

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