宛先:基山部長
件名:おつかれさまです
本文:すみません。卵とパンがなくなってしまったので、買ってきてください。明日の朝ご飯が大変なことになります。


送信ボタンをポチ、と押して、わたしは晩御飯を作る作業に戻った。本日は鮭のホイル焼き、かぼちゃの煮物、キュウリの醤油漬けにご飯と味噌汁。

この生活をしてから二週間。ついつい居心地がよくなってしまって、なかなか新居を探せずにいるわたしがここにいる。部長には迷惑をかけているとわかりつつ、居座ってしまいたいと思っている。だって食費込みで2000円って結構安いでしょ。月に換算したら約6万円だ。ありがとう部長・・・!

部長と生活を始めた当初、ご飯は各自ばらばらに作って、各自で食べていた。ある日わたしが作りすぎてしまったのものを部長にあげたらたいそう喜んでくれたので、その日からだいたいわたしが食事を担当することになった。帰る時間もわたしの方が早いし、作って待っているようになった。一緒にご飯食べる機会が増えて、部長がどんな人なのかもわかってきて、この生活が楽しくなってきたのだ。



差出人:基山部長
件名:わかった。
本文:買って帰る。



こんなメールのやり取りも、楽しかったりする。なんだかんだうまく行ってるのだ、この生活。部長も楽しんでくれているといいんだけど。

部長の喜ぶ顔を想像しながら、晩御飯を作る。早く帰ってこないかな。(アレ、今のわたし奥さんみたいだ)(恐れ多い!)

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