お付き合いすることが決まり、わたしはお引っ越しする必要がなくなった。前みたいにご飯作って待ってることも多くなったし、なによりも恋人の時間が増えたのだ。

部長は忙しい人だから、デートとか全然できてないけど、休日になれば一緒に買い物に出てくれるし、家事も少しだけど手伝ってくれる。

一緒に生活してもう半年。お付き合いして三カ月。部長、わたしにまったく手を出してこないんですけど、どういうことでしょうか。寝室は今でも別々。友達にそれ言ったら怒られた。ちゅーもまだなの!?付き合ってるなら一緒に寝なさい!って。でも恥ずかしくて無理ですムリです。
リビングのソファに並んで座っても、わたしに触れようとはしないし、あれ?わたしってもしかして魅力ない?たしかにあの子みたいに乳でかくないけどさ・・・。


「部長!」
「なに?」
「一緒に寝ましょう!」
「は?」


わたしは部長の部屋に行き、ノックをせずに飛び込んだ。部長は驚いた顔一つせずに迎え入れてくれたが、さすがに「一緒に寝ましょう」とわたしが言った後には眉間に皺を寄せていた。

そしてお説教されることになるのだ。とりあえず正座しなさい、と言われ、言われた通りに正座をする。目の前には腕組をした部長。


「アミ」
「はい」
「君は女なんだ、不用心に男の部屋に入って来たらだめだろう」
「でも、恋人同士じゃないですか」
「そうだけど・・・」
「部長を困らせたいわけじゃないんです」
「誰かに吹き込まれたでしょ」
「!!!」
「全く、君は流されやすいんだから」
「う、ごめんなさい」
「君が良いなら、良いけど」
「本当ですか!?」
「もちろん」



「あぁでも、」
「?」
「君に手を出さない自信は、ないからね」
「!」


覚悟して来たんだよね?と部長は言い、どうぞ、と腕枕をしてくれた。でもやっぱりわたしにちゅーの一つもしてこなかったです。なぜ!!でも愛されてるってことなのか・・な?


「だいすきですよ、部長」
「うん、俺も」

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テーマ「人外ファンタジー」
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