新しい企画で、他の部署の人とよく一緒に仕事をするようになった。それはもちろん部長もいっしょで。


「基山部長ー、この資料なんですけどー」


(イラッ)
あの子部長に近づきすぎ!(ずるい!)乳でかい!ずるい!確かあの子はわたしの一つ下で、去年あたりに中途で入ってきた人だ。カワイイデカイと噂されていた気がする。確かに可愛くてでかい(乳が)(うらやましい・・・)というか部長に近づきすぎ!近いぞ!

この企画が終わるまでだ、と言い聞かせてもくもくと仕事をこなす。部長の方を見ればあの子が部長に構っている。部長は適当に相槌を打ちながら自分の仕事をしていた。「ちょっとー、ちゃんと聞いてますー?」なんて聞こえる。部長は聖徳太子みたいな人だ。聞いてるに決まってる。だめだ、今あそこ見てるとイライラしちゃうから見ないようにしよう。

部長と一緒に住むようになってから仕事にも力が入って楽しくなってきた。もちろん辛いことだってたくさんあるけど、部長がいるから頑張れるんだ。それに家に帰ればみんなの知らない部長に会える。



・・・



今日の晩御飯は冷製ボンゴレビアンコにグリーンサラダ、スープだ。パスタは部長が帰ってきてから会えるだけにしておく。これで部長が帰ってきたらすぐに出せる。そう言えば今日は帰って着てから携帯見てなかったな。鞄から携帯を取り出すと、チカッと光った。中身を確認。


差出人:基山部長
件名:ごめん
本文:先方との打ち合わせで帰りが遅くなる。晩御飯はいらない。


(・・・)
(ま、しょうがない)


サラダはラップして冷蔵庫。パスタはわたしの分だけ用意して冷蔵庫。スープはあっためてわたしの分盛りつけたら蓋をしておく。そう言えば最近ずっと部長と一緒にご飯食べてた。だから慣れちゃってたんだ。二人でご飯食べることに。でも今日は一人。

(さみしい・・・)
(おいしいけど、なんか足りない)



すきです、部長。

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