アレ?わたしってもしかして昨日告白されたんだっけ?








好きとか嫌いとか








 あまり飲まなかったから二日酔いにはなっていないが、記憶がアイマイだ・・・。一之瀬くんに「イマモスキダ」って言われた気がするんだけど、まさかねぇ?だって中学の時わたし酷い振られ方したわけだし。


「おはよ」
「・・・!おはよ」


 後ろから突然挨拶をされ、軽く振りかえるとそこには一之瀬くんがいた。


「あのさ、昨日のことだけど」
「!!!」
「俺、待つよ。木村が俺のこと好きになってくれるまで」


 夢じゃなかったのか、告白されたの。


「俺、しつこいから」


 今わたしの目の前にいる彼は、中学の頃の彼ではなくて、大人になった彼だ。中学の時の幻影に囚われてウジウジしてるのはわたし。でも信じらんない。だってあの一之瀬くんがわたしを?しかも中学のころ、ちゃんと好きだったって。おかしいでしょ。酷いこと散々されたのに。


「今日も頑張ろうな」
「あ、ウン」


 足早に去っていく、彼の背中を見ながらボンヤリ考えてみた。そうしたら見えてきた。
 わたしはいつも彼に心配されていた。残業するときはだいたい差し入れ持って来てくれたし、嫌みかと思えるドリンクだって、わたしの肌荒れに気付いていたからかもしれない。小言だと思っていたメールだってわたしのこと見ていたから気づいて送ってくれいたのかもしれない。

 ただの嫌味にしか思えなかったけど、彼がわたしに見せる姿は、特別なんだ。他の人の知らない彼なんだもん。



 ドキドキドキ


(嘘でしょ?)
(静まれわたしの心臓!)

 一度意識すると不思議なもので、ずっとドキドキしっぱなしだ。彼の一挙一動に揺れ動かされちゃって馬鹿みたい。って思っているのに、

(好きなんだ、わたし)

 また、好きになってしまったんだ。


 さっき届いた<連絡先教えて>のメールにちょっとした下ごころを込めて、携帯のメールアドレスを乗せて返信した。


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