俺は同じクラスの佐藤結衣さんが好きだ。


1 目が合うと赤くなる


「え、あ、こ、黒板を、あの後ろの黒板をね?見ようとしていただけであって・・・」
「俺のこと見てたわけじゃないんだ」
「そ、そうだよ!」


佐藤さんは慌てて眼を逸らした。なんで俺が気づいたかと言うと、どこからか視線を感じたから。あーどうしよう、まさか俺のこと見てたのが佐藤さんだなんて。どうしよう嬉しい、にやける。


2 触れると逃げる


「はい、国見くんプリンt・・・うあああ!!」
「え、なに」
「ごめん触っちゃった、本当にごめんね!!」
「いや触ったってちょっとだけじゃん」
「そ、そうなんだけど」
「別に俺気にしてないし」


嬉しいし。
むしろそんなに謝られる方が胸痛いんだけど。俺に触ることが嫌だってそういうことですか。触れた途端佐藤さんは大げさに手をひっこめる。そんなことされたら嫌なのかなとか思っちゃうよ。
佐藤さんはぶんぶん顔を横に振って眉を下げた。そんな顔されるとな、なんか俺が悪いことしたみたいだ。今度は俺の手に触れないようにプリントを渡す。・・・もしかして俺って避けられてたりする?


3 二人きりになると慌てる


「あれ!?国見くん部活は・・・」
「今から行くとこ。そういう佐藤さんは?」
「あ、あの、えと、わたし、部誌をね、忘れちゃって」
「そうなんだ」
「うん」


ガラッと扉を開けて佐藤さんはやってきた。俺のことを見るなり一歩後退する。俺が部活に行く準備をしていると佐藤さんは教室に入ってきた。が、入るなり他のクラスメイトの机に激突したり、椅子にひっかかったりと、それはとてつもない挙動不審振りで、俺も思わず苦笑いをする。そんな俺に気がついたのか佐藤さんは「うるさくしてごめんね!」と言い、手をぶんぶんと左右に振った。
そんなに俺って怖い?


4 やたらと目が合う(気がする)


たとえば朝。俺が朝練を終えて教室に入る時。
たとえば昼。昼休みに金田一と合流して購買にパンを買いに行く時。
たとえば授業中。佐藤さんがなぜか振り返った時。
たとえば放課後。俺が部活へ行く時。

なぜかやたらと目が合うような気がするんだけど、気のせいかな。気のせいじゃないと、いい。







今日もぱちっと目が合って、佐藤さんは顔を赤くしてわたわたと慌てる。嫌われてるわけではないと思いたい。

「ねぇ、佐藤さんて好きな人いるの?」
「えっ!?す、好きなひと!?」
「そう」
「えっとそのあの」
「俺はいるよ」
「!!!!!」
「好きな人」


目の前に。


「わたしも!います!!」


今度は目を逸らさないんだ。

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