※下天の華未プレイの方は閲覧注意




とてもいやらしい夢を見て、飛び起きた。いやらしいと言えば一言で済むのだけれど、その夢の内容は一言で済むものではない。僕と僕の大切な人との・・・。あんな風に艶やっぽい彼女の声を聞いたことがないのに、どうして夢に出てきたりしたんだろう。彼女の生まれた時のままの姿を見たことがないのに、どうして夢に出てきたりしたんだろう。わからないことだらけだ。

僕の寝巻きは汗でじっとりと濡れている。・・・・!!!!はやく、早く着替えないと彼女が「朝げの支度が整いました」とやってくる・・・!!!昨夜、女房さん達に手渡された着物は枕元に置いてある。早く袖を通しt「失礼します」彼女の声だ。


「ちょ ちょっと待ってください」
「あっはい」


襖が一寸ばかり開き、そこで止まった。そして襖は再び閉められた。落ち着け。落ち着け。襖の向こうにいる彼女は裸ではない。彼女の後ろの景色は桃色ではない。声も上ずってはいない。落ち着け、落ち着け。熱を持った僕の体が次第に冷めていく。ふぅ。


「お待たせしました」
「失礼します」


白い指先が襖を開き、頭を下げた彼女が顔を上げる。「朝げの用意が整いました」彼女とばちっと目が合って、冷めたはずの体がまた熱を持ち始める。耳まで熱くなり始めて、耳を手で覆った。


「あら?家康殿。お顔が赤いようですが・・・お風邪でも召されましたか?」
「だ、大丈夫です・・・。気にしないでください」
「でも・・・」


彼女の手が僕の額に伸びて、僕はのけぞってしまった。今僕に彼女が触れたら、僕の体はどうなってしまうだろう。想像がつかない。力のまま彼女を押し倒し・・・いやそれはだめだ!そんなことは許されない!!それに僕にそんな度胸はない・・・。


「家康殿・・・」


うわあああのけぞったら彼女が悲しそうな顔を・・・!僕は・・・なんてことを・・・。


「すみません真帆殿。その・・・」


僕が 彼女に触れたら、いったい彼女は何を思うのだろうか。

僕の夢のことなど知りもしない彼女は、避けられたと思ってしまっただろうか。慰めるべくおずおずと手を伸ばし、彼女の髪の毛に触れる。さらさらと指の間を通り過ぎて行く彼女はくすぐったそうに目を細めた。


「冷めてしまいますよ。さあ、行きましょう」


いつか彼女のことを抱きたいと思うけれど、そんなことをしたら僕は溶けてなくなってしまいそうで。少しだけ怖いんだ。

まだ頭の片隅に残っている彼女との情事の夢。頭を二、三度横に振り目を瞑った。・・・奇麗だったなぁ。


「はい。行きましょう」

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