喧嘩っ早いわたし達だからすぐに喧嘩して、気が着いたら仲直りしたり。それでもまぁ、別れずに結婚したんだから、人間ってよく分からないものですね。朝ご飯に目玉焼きを作って、いつもかけるマヨネーズとともにテーブルに運んだ。清志は先に席に着いて新聞を読んでいる。わたしがテーブルに皿を置くと清志はガサリと新聞を畳んで無造作に脇に置いた。そしてわたしが運んできたマヨネーズと目玉焼きを凝視して言う。


「目玉焼きなら醤油だろ」
「マヨネーズじゃないの!?」
「お前マヨネーズばっか食べてると太るぞ」
「・・・」


なんてデリカシーのない男・・・!そりゃ新婚さんで清志に美味しいものを食べてもらいたいから、一生懸命料理して、美味しいからいっぱい食べちゃって、俗に言う幸せ太りをしているわけですが。言わなくたっていいじゃん!落ち着いたらダイエットするよ!!そりゃ清志は食べても食べても太らないからいいよ。なんだよその体質ずるい。


「・・・悪かったって」


でもアレだね。一緒に住むようになってから清志は謝る回数が増えた。謝られるとプリプリ怒ってるのが馬鹿らしくなって、わたしも言い返さなくなる。喧嘩っ早いわたし達だけど、喧嘩の量は減ってきたように思える。わたしも謝るようにはなったけど、なんだかムズガユイね。


「お醤油取ってくる」
「さんきゅ」


恥ずかしくなってキッチンに行って顔を伏せる。人って変わるんだなぁ。わたしも変わってきたのかな。素敵な奥様になれているだろうか。醤油を手にとってテーブルに戻ると清志も少しだけ照れ臭そうにしていた。だからって新聞で顔を隠さなくたっていいのに。


「清志」
「なんだよ」
「今日もお仕事頑張ってね!」
「・・・どういう風の吹きまわしだ?キモイ」
「奥様に向かってキモイとは何よ!!!」
「うっせーやんのかコラ!」
「上等だ!今日のお弁当覚悟しておけよ!!!!!」


今日のお弁当?白ご飯に梅干しひとつ。
仕事から帰ってきた清志はわたしに向かって「ごめん」とまた謝った。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -