くたくたになるまでセックスして、どちらともなく眠って、起きたら繋がったままだった。体は痛いし、汗でべたべたしてるし、どうしてこうなったなんて寝ぼけた頭で考えてたけど結局答えはでてこない。わたしの下敷きになっている新開隼人は所謂セフレである。恋人だとかそう言う関係ではない。やれればいいってわけじゃなく、相性が良いってわけなのである。新開君とした後のこの疲労感がわたしは好きで、「あーいい運動したなあ」という清々しさもある。

とりあえず、この繋がったままの体制はきついので退こう。そう思って体を起こすと、その振動で新開君は目が覚めたのか、わたしの腰をがっちりとつかんで「続きする?」と言った。


「寝たら乾いちゃったよ」
「すぐに濡れるだろ?」
「そうゆうこと言わないで」


わたしの下でぐにぐにと動きだす新開君。その動きに合わせてわたしの口から変な声が出てしまう。「ちょ、っと。まって」「待てない」わたしが組み敷いているのに、新開君の圧倒的な力には勝てないのだ。新開君が動くたびにわたしのいいところにあたって、思わず目を見開いた。「あ、」やばい。新開君とのセックスは癖になる。中毒性があって、麻薬みたいなものだ。わたしの腰を掴んでいた新開君の手はわたしの胸に移動していて、わたしの胸をむにむにと弄んだ。「しんかい くん」「真帆ちゃん」まだ余裕のありそうな新開君は体を起してわたしの背中に腕を回した。キスをねだるように唇を突き出している新開君にわたしは自分の唇を重ねた。新開君の頬に手を添えて、どっちの唾液かわかんないくらいにぐちゃぐちゃにキスをした。息苦しくなって唇を離した瞬間、新開君が聞いてくる。


「真帆ちゃん、俺のこと好き?」
「すきだよ」
「俺も真帆ちゃんが好き」


こんなのセックスを盛り上げるだけのための言葉で、中身なんてひとかけらもない。空っぽだ。新開君は今度はわたしを下にして覆いかぶさり「好き、好き」とうわごとのように言いながらわたしにキスをした。そのキスにこたえるようにわたしは舌を絡みつける。こうやって新開君と繋がってる時間が永遠に続けばいいのに。気持ち良くてすべてがどうでもよくなる。何もかも忘れられそうな気がしてくる。新開君の大きな背中に手を回す。「いき、そ」新開君が眉間に皺を寄せて言った。「まだ、ダメ」こんなんじゃ足りないよ。「もっとちょうだい」


新開君は所謂セフレである。それ以上でも、それ以下でもない。でも、わたしをこんな気持ちにさせてくれるのは、後にも先にも、新開君だけだろう。そんな予感がする。


「しんかいくん」


わたしは所謂、新開君のセフレである。

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