暖炉に薪をくべる。窓が結露で曇っていた。窓から外を見ると、雪が深々と積もっている。誰かが作った雪だるまが道の端っこにあった。外はすごく寒いんだろう。わたしはここから出ないから外の寒さはあまり分からないけれど。


「リヴァイさん」


この雪だ。もしかしてリヴァイさんは今日帰って来ないかもしれない。テーブルに並んだ些細な料理たち。リヴァイさんの誕生日だからと、少し気合を入れて作ってしまった。その人が来てくれるかわからないのに。


「お腹すいたなぁ」


冷めきった料理を前に座る。一口つまみ食い。冷めても美味しいなぁすごい。つまみ食いと言うものは食べ始めたら止まることを知らない。ひょいっとお皿から拾い上げてぱくり。ひょいっぱくっうん。美味しい。・・・でもリヴァイさんと食べたらもっと美味しいんだけどなぁ。ひとりで晩御飯を食べ始める。さっきワインも開けてしまった。本当はリヴァイさんと飲もうと思っていたんだけど、それどころじゃなくなってしまった。


ギィィ


扉が開く音が聞こえて、慌ててそのほうを向くと、調査兵団のコートに身を包んだリヴァイさんが立っている。頭には雪を積もらせて、非常に不機嫌そうな顔で。


「おおおかえりなさい!」


椅子から立ち上がりリヴァイさんのもとへ行く。眉間の皺をさらに深くさせながら、リヴァイさんはわたしにコートを手渡した。そのままリヴァイさんは暖炉の目の前に行き、「さむかった」と言い暖炉にあたった。コートをハンガーにかけて、タオルを取ってくる。雪が溶けてリヴァイさんの髪の毛を濡らした。


「リヴァイさん、おかえりなさい」


その髪の毛をタオルでやさしく拭くと、リヴァイさんは気持ちよさそうに目を細めた。


「ただいま」
「それと、誕生日おめでとうございます」
「・・・口元にソースついてるぞ」
「えっ!?」
「先に食べ始めやがって・・・」
「ごごごごめんなさい」

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