女が風邪をひいた。


「へっくしょん!」
「ツバ飛ばすんじゃねぇ・・・」
「す すみません・・・」


女が眉を下げて謝った。病人に言いすぎたか。女は辛そうにベッドに横になり、首まで布団をかけて埋もれている。顔が少し赤いところを見ると熱もあるのかもしれない。俺は縁に座って女の様子をうかがう。幸い、今日は非番で一日ゆっくり家で過ごすことができる。


「今日は一日寝て過ごすんだな」


俺が言うと女は絶望したような顔になって「それじゃあ、わたしがここに置いてもらう意味が・・・」などとほざいた。そんなこと言ってる場合か。


「命令だ、寝てろ」


そこまで言うと女は静かに頷いた。それから瞼を閉じて、眠る態勢に入る。最初からそうしておけばいいのに。



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キッチンに立つ。良く食べて良く寝ていれば風邪は治る。女がいつもしているエプロンを身につけた。・・・似合わねぇ・・・。さっさと作るか、リゾット。久々に料理をしたから手際よくできなかったが、なんとか形にすることができた。味も悪くない。皿に盛り付け、女の部屋へ向かう。一応ノックをするが、少し待っても反応はないので部屋に入る。女はすやすやと眠りについていて、起こすのが可哀想に思ってしまった。女が眠っているベッドに近づくと床がギシ、と軋んでしまい、女がうっすらと目を開いた。


「腹は空いたか」


女は俺の方を向くと、力な下げに首を横に振る。


「でも食え」


ベッドの縁に腰をかけて、「ほら」と言いながらリゾットを見せる。女は目をきらきらとさせて「ちょっとだけ・・・」と言った。体を起こすと、女はぷっと吹き出した。


「リヴァイさん、エプロン似合わない」
「てめぇ・・・」
「あ ごめんなさい」
「そんな口叩けるんならもう風邪は平気なんだな」
「ごほごほ!そんなことはありません!」
「・・・」
「熱そうです」
「自分でふーふーして食え」
「リヴァイさんの意地悪」

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