そんなわけで、わたしと徹が付き合い始めたわけですが、やることは特に変わらず、休日もしょっちゅう遊ぶわけでもなく、駅のホームでたまに会う程度で、

付き合うって、何?

恋人ができたこと自体初めてで、何をしたらいいのか、恋人との付き合い方とは何か、全くわからない。


「え!先輩彼氏できたんですか!?」
「ん!?」
「今付き合うって何って独り言言ってたじゃないですか」
「言ってた?今」
「ばっちり!」


頭の中で呟いていたはずが口にも出ていたらしく、隣でお昼ご飯を食べていた後輩ちゃんにつっこまれた。別に否定することはないかと思い、「最近できたんだ」と言うと後輩ちゃんはぱちぱちと拍手しながら「おめでとうございます!!」と言ってくれた。優しい・・・。


「どんな人なんですか?」
「えっと、そうだなぁ」


上を見上げて考えるしぐさをする。
うーんそうだなぁ、徹はどんな人かなぁ。


「わがまま」
「えーわがまま!?」
「あと、・・・背が高い」
「うんうん」
「自己中」
「え、それってわがままと一緒じゃないですか?」
「なんだろう、世界の中心は俺だみたいな」
「えー先輩ってそんな人が好きなんですかぁ?」
「悔しいけど」
「悔しいんだ!あはは!」


後輩ちゃんは嬉しそうに手を叩いて笑い、わたしは恥ずかしくなってお弁当に目を移した。









「へっくしゅん!」
「うわっ及川キタネェ」
「岩ちゃんヒドイ」
「それに最近ニヤニヤしすぎキメェ」
「ニヤニヤしてる自覚は・・へっくしょん!」
「やめろって!!」
「なんだろ、誰か噂してんのかな?」
「あーハイハイ、モテる男は噂されるんですねー」
「なんかトゲがあるよ岩ちゃ・・・はっくしょーい!!」
「・・・くしゃみ三回って良い噂だっけ、悪い噂だっけ」
「・・・・・・・・」

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