「ぐっ重い・・・」


世界史のノート提出があって、日直であるわたしはクラス全員分のノートを手に持つ。さすがにクラス全員分になると重たいもんですね。誰かに半分持ってもらえばよかった・・・。前は見えるけど重たすぎてふらふらしてしまう。


社会科教員室の前に着き、立ち止まる。両手がふさがってて、扉を開けることができない。周りを見回すけど、誰もいない。 なんでこんな時に限って誰もいないの・・・!「せんせーい」と呼んでみるが出払っているらしく、反応はなかった。


「ああもう」


こうなったら足で開けるしか・・・!と思った矢先、後ろからポスっとノートがもう一冊、わたしの手元に降ってきた。


「え?」


後ろを振り返るとそこにはいつも通りに背中を丸めて歩く花宮くんがいた。・・・扉開けてくれたっていいじゃないか。ひどい男だ。そんなことを思いながら花宮くんを見ていると、花宮くんが振り返って、目と目がばちんと合った。やべ、急いで扉に目を向ける。手がしびれてきたからそろそろノート下ろしたい。最後の手段。足をそろそろ〜と伸ばすと、いきなりガラっと扉が開いた。


「あ れ?」


横を向くと花宮くんが立っていて、扉を開けてくれたのが花宮くんだと知る。


「あ、ありが」
「は?俺も用があるから開けただけだし、お前関係ねぇから」
「・・・」


やっぱりむかつく。
教員室に入って担当の先生の机の上にノートを置く。花宮くんは教員室に入ることなく、どこかへ行ってしまった。・・・用があるなんて、嘘だったんじゃん。

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