花宮くんのどこがかっこいいんだろう。わたしにはちょっと理解できない。たまたま体育の授業のあとが昼休みで、体育館に残っていた花宮くんと花宮くんを擁するバスケ部のみなさん。真剣にバスケをしているわけじゃなく、じゃれているように見えた。それを見た女子生徒がキャッキャッしていて、わたしはげんなりする。どこにそんな要素があると言うのだ。教室に戻り、お弁当を食べようと鞄をあさると、もらったまま返していないあの薬の小瓶を掴んだ。隣の席だと言うのに返しそびれたままのそれを、花宮くんの机の上に置く。


「かほちゃーん。今日どこでご飯食べる?」
「屋上にしない?天気いいし!」
「賛成!」


お弁当を食べ終わり、昼休みをゆっくりと過ごし教室に戻る。花宮くんの机に置いた薬の小瓶が、わたしの机の上に置いてあった。


「花宮くん、これ」


頬杖ついてどこを見てるか分からない花宮くんは、「俺のじゃねぇ」と言った。


「ありがとう。もらっておく」


いつの間にかお腹も痛くなくなっている。わたしの言葉を聞いた花宮くんは、心なしか頷いたように見えた。

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