学校行くのも辛くなってきちゃったんだけど、もしかしてもしかしなくてもこれって花宮くんのせいなんじゃないの?今日も登校中に急にお腹がキリキリと痛んで、しゃがんでしまった。そのわたしの脇を通り過ぎた黒塗りの高級車。あの車には見覚えがある。花宮くんがきっと後部座席に乗っているんだろう。恨めしそうな顔で睨んでやった。きっとそんなわたしを、花宮くんは知らないのだろう。

げっそりした顔で教室に着いた。ガラリと戸をあけたわたしに一番最初に気がついたのは不幸なことに隣の席の花宮くんだった。その次にかほちゃん。花宮くんと目があってすぐにそらす。かほちゃんは心配そうな顔をしながらわたしに駆け寄り言った。「大丈夫?顔色悪いよ」ハハハ。乾いた笑顔を向けて、「だいじょうぶだいじょうぶ」とお腹をさすった。

このまま欠席しちゃったら、花宮くんに屈することになってしまうじゃないか。そんなのなんか、すごく嫌だ。青い顔をしてるんだろう、今の自分は。保健室に行くように促すかほちゃんに手を振って自分の席に座る。今日はどんなふうにわたしを罵ってくるのかと胃をキリキリとさせながら花宮くんをチラリと見る。


「やるよ」


半分は優しさでできていると言う、あの薬をわたしの机の上にぽいっと放り投げた花宮くん。封がまだ切られていないこれは、いったいぜんたい、いつどこで花宮くんが手にしたものなのですか。封が切られていたら花宮くんが細工したと考えるけど、まだ開けられてないってことは買ったばかりって、ことだよね。ありがたくそれを受け取る。


「・・・これってお腹痛いのにも効くんだっけ?」


確か、頭痛に効く薬だった気がするんだけど。鞄からペットボトルのお茶を取り出して、ぐいっと飲んでから、そのことに気がつくのだった。

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