別に花宮くんなんて好きじゃないんだけど、わたし。


「吉川さんって、花宮くんと付き合ってるの?」
「え?いやぜんぜん。そんなことないけど」


隣の席になってから、なにかと花宮くんはわたしに突っかかるようになった。「スカート短い大根足がウザイ」とか「居眠りしてんじゃねぇよバァカ」とか。その都度わたしが言い返すのが悪いのか、花宮くんはわたしに突っかかることを面白がっているように見えた。「大根足花宮くんに言われたくないわ」とか「うっせーマロ眉が」とか反撃するからいけないのか?言われてばかりじゃ辛い。隣の席になるんじゃなかった。と思うんだけど、たまに宿題とか見せてくれたりするから、なんだか許してしまっていたけど、いたけど!


「そうなの?すごく仲良しに見えるから、付き合っているんじゃないかって思ってた」


そんなこと言われるなんて心外だよ。言い争いしてるのが仲良しに見えるのはせいぜい小学生までなんじゃないですか。


「いえいえ、まったく。付き合ってるわけないですないない」


昼休みに入るなり、クラスのほとんど喋ったことのない女の子に呼び出されて言われた。なんで教室で言わないのかすごく気になったけど、そこはまぁ、気にしないことにして教室に戻る。付き合っていると言うことを全否定してやった。だって事実、そうですし。自分の席に座って、無人の隣の席を見つめる。あー、むしゃくしゃするなぁ。イライラに任せて隣の席の椅子を蹴っ飛ばした。花宮くんの隣の席になってから、わたしは凶暴になってきたような気がする。

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