月曜日が定休日の江川さんと俺とでは予定が合うことがほとんどない。祝日で月曜日が休みになった時くらいだ。月曜日の江川さんは大抵二日酔いで、とても外へ出歩けるような日はない。約束をしていても江川さんは気持ち悪いから今日は家にいる・・・と言って家に引きこもってしまう。そんな日江川さんの住む小さなアパートへ行くとだいたいベッドで眠りこけているのだ。部屋は荒れも大荒れ。散乱する服に頭部マネキン。散らかった髪の毛。良く切れる鋏。コンビニで買ってきたポカリを江川さんの頬にぴたりとくっつけると江川さんは眉間に皺を寄せて目をこすり起き、俺が目の前にいることに驚くんだ。


「えええ赤司君!?」
「また二日酔い?」
「うっ・・・ごめんなさい」
「いいけど。部屋、片付けていい?」
「うー。頭痛いからわたし手伝わないよ」
「休んでて」
「うん」


ポカリを受け取り江川さんはごくりと一口飲んで、枕元に置いた。バタンとベッドに横になると長い睫毛を伏せてまた眠りに入る。お酒を飲んだ後は眠りが浅いと言うけれど、江川さんにそれは当てはまらないらしい。散乱した服を畳んで隅に寄せて、テーブルの上を占領する化粧道具はすべてメイクボックスに入れる。シンクの中を支配している食器を洗って、ご飯のタイマーを入れた。お腹すいてないと言われるだろうが、普段から食生活が乱れてるんだ。俺が来た時くらいちゃんとしたもの食べさせないと。


「赤司君」


すやすやと眠っていると思っていたが、そんなことはなかったらしい。江川さんはうっすら目を開いて俺のことを見た。


「どうかした?」
「なんでわたし赤司君と付き合ってるのかな」


それは俺だって聞きたいよ。


まだ酔ってるのか、江川さんは独り言のように呟いて、また目を閉じた。俺だって聞きたいよ。

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