この先なにがあってもお前をはなさない。そういった君はもう、とおいとおい地平線のそのサキにいるんじゃないでしょうか。



あたしとディーノの吐息がかった声が、重なる。今はそう、コトの真っ最中である。あたしのからだ全てで、ディーノのラブを感じている。はずだったのだ。そう、はずだった。あたしのだいすきなだいすきな旦那さまは、どこか違う女のことを考えている様子です。

「はぁっ、アミ、」
あたしの名前を呼んでいても、わかるのです。なんでも、お見通しなのです。舐めてもらっちゃこまるよディーノ。いつもよりガツガツ食いついてきているのは、気のせい?ねぇ、気のせいじゃないよね?なんでここのところまいにちディーノに抱かれているんだろうね。拒めないあたしが悪いのかな。ディーノはただいま、浮気をしております。

「・・、きもちく、ないの?」
そらきもちいですよ。きもちくないわけないじゃないですか。あたしだって女であるいぜんに人間という動物なんだから。でも疲れてしまった。ディーノに抱かれるのが疲れたんじゃない。エッチするのが疲れたんじゃない。もういやなんだ。ディーノの瞳の奥にいるひとを探ることが。だから自然と喘ぎ声はでなくなる。まぁ、息はするので、甘い吐息は出てしまうのですが。

「きもち、よ?」「でも」
なんで、とディーノは言った。付き合った当初、結婚初夜、若いころはアンアンいってたもんね。おかしいと思ったのかな。でもディーノがわるいんだよ。ディーノがわるいんだよ。浮気なんかするから。隠しているつもりでいるのだろう、けど。わかってしまったんだ。果てて、眠ったあとの、ディーノの口から漏れた、女の名前が。気付いてしまったんだ。リリアってだれ?あたしに覆いかぶさって、ディーノはキスをしてくる。苦しい。酸素が足りない。胸を鷲掴みされる。奥までくる。目を開けば一生懸命にキスをするあたしの愛しい人がいた。でも、心は冷めてゆく。絶頂が近い。だけど心臓は冷たい。体は熱い。だけど心臓は冷たい。


「い、きそ」 「リリアさんて、だれ」



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