うわ、すごく暇。暇すぎてゴロゴロしたくなるくらい暇。ご飯食べるのも面倒に感じるくらい暇。

原因。オフなのにあみがいない。

いつも二人で並んで座っているソファにもたれかかって、部屋中を見渡す。ソファには俺の等身大抱き枕。テレビの横にはでっかい観葉植物。テレビの前にはゲームのハードがズラリと並んでいて、その横にはDVDがタワーの様に積み上げられている。(片付けようかな)テーブルには台本が置いてあって、本棚には俺が出た映画やドラマの原作の本が綺麗に並べえてある。あみは几帳面なのか、適当なのか、よくわからない。キッチンにはあみ専用のマグカップや、あみのお気に入りの紅茶の茶葉、コーヒーの豆。ここにあみはいないけど、俺の部屋はあみで溢れかえっていることがよく分かった。


携帯をパコ、と開く。メールボックスへ行き、一番上にあるメールを読み返す。 今日は用事ができたので、幽のところに行けません。久々の一人オフを楽しんでください。 まあ確かに一人のオフなんて本当に久々だ。あみと過ごすときもあれば、共演者の方や、監督さんとご飯食べに行ったりとかもある。でも今日は本当にノープラン。なんの約束もなく、暇なわけだ。暇な時間の潰し方を知らない俺は、とりあえずソファにもたれかかって、ぼけらっとしていた。あーお腹減った。でも作るの面倒だし、食べるのも面倒だ。ゴロリ、と床に寝転がる。台本もう全部覚えたから、読まなくていいし、原作も全部読んだし、ゲームあんまり好きじゃない。いつもならあみがいて、あみと二人なら時間が過ぎるの、早く感じるから、退屈したりしないんだけど。今日は俺一人だ。

(カップラーメン、あったっけ・・・)

とりあえず体を起こし、立ち上がる。あまりにもお腹が空きすぎたので、力が入らない。キッチンへ行くと、戸棚の上、シンクの下、食品個。探しても探してもカップラーメンは見当たらない。この間安かったから大量に買ってきて、まだ全然食べてなかったからあるはずなのに。キッチンの支配者はあみだから、どこに何があるかいまいち把握していない。だめだ俺、あみがいないと、何もできないみたいだ。ここの家の主は俺なのに。椅子を持ってきて、それに乗り、戸棚の奥の方まで調べる。手を伸ばすと、コツ、と指先に何かあたり、手に取る。この感触はカップラーメン以外の何物でもない。カップラーメン発見。すぐさまケトルに水を入れ、お湯を沸かす。ビニールをはがそうと思ったら、何か文字が書かれていることに気がついた。 こういうのいっぱい食べると体に良くないからね。だから食べすぎたらだめだよ。 紛れもないあみの字に嬉しくなる。ごめん、今日はこれを食べさせてください。




ずずっとラーメンをすすりながら思うことはただ一つ。早くあみに会いたいなあ。


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