何言ってんだコイツ。真っ白になった頭を再起動した。



ストーカーに予言される




「お断りします」
「なぜだ」
「なぜって、わたしあなたのこと知らないから」
「自己紹介ならさっきしただろう」
「したけどさ・・・」


なんなんだ赤司征十郎。話が通じない。確かに自己紹介はした。赤司征十郎とはどこのだれなのか、知った。だけどそれだけ。他のことは何も知らない。どういう性格なのか、何が好きで、何が嫌いなのか、何も知らない。そんな人と恋をするだなんて、いやいやいやいや、ないでしょ。わたしの中の赤司征十郎の評価は最低だ。ストーカーで、なんだか偉そうで、初対面なのにわたしのことを知っている。・・・残念なイケメン。


「でも、わたし、一目惚れとか信じていないし」
「俺が菜緒に一目惚れしたと思ってるのか?」


思ってないです・・・。
ふっ、と鼻で笑った赤司征十郎がなんかむかつく。


「予言しよう、必ず菜緒は俺を好きになる」
「ならない!!」


ずっと繋がれていた手を振りほどき、走り出す。全速力で。チラリと後ろを見ると、赤司征十郎は追ってこないようだった。少し笑っているようにも見える。そんなことお構いなしに、走る。運動は特別得意じゃないけど、走る。

神様どうか、わたしに平穏な日々を。

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -