犯人が捕まりました。



彼はボディーガード




「まさかこんなあっさり捕まるなんてね」
「なんであの時捕まえられなかったか不思議でしょうがない、わたし」
「すみませんでした」
「いえいえ。今回はこうして捕まえてくれたんだもん」


わたしと彼の前にはロープでぐるぐる巻きになった小太りの男。オトリ捜査の要領でわたしがオトリになり、赤司(と赤司の側近の方々)が影からわたしを見守っていたとき、男があの時と同じ手口で、わたしのことを抑えつけようとしたその瞬間、赤司(と赤司の側近の方々)が男を抑えつけたのだ。最近ちょっと変な、嫌な感じがするなーと思ってたらこれだったようだ。というか側近の方々がすごすぎる。後で菓子折り持ってお礼言いに行かなくちゃ。


「じゃ、あとコレよろしく」
「かしこまりました」
「くれぐれも大事にはならないように」
「心得ております」


スッと側近の方々が男を連れてどこかへ消えて行った。格好良すぎる。素敵過ぎる。投げ出されたわたしの鞄を赤司は拾って、「さぁ、どこへ行こうか」と言った。「今日も図書館で自主勉の予定なんだけど」と答えると赤司は「これがなくちゃ勉強なんてできないだろ」とわたしの鞄を持ち逃げした。走り出した赤司に追いつこうとわたしも一歩踏み出す。


もう大丈夫。もう怖いものなんて何もない。わたしの記憶に穴なんてない。赤司がいてくれる。

第一印象はストーカーで、知り合ったら強引で、わたしのことが好きすぎるくらいで、


「あーあ、予言どおりになっちゃったよ」


好きになられたからなのか、なぜなのか、いつの間にか赤司征十郎はわたしの愛おしい人になってしまった。


「予言?」


わたしの独り言に気がついた赤司は振り返って立ち止まる。結局はわたしのことを待ってくれるのだ。


「予言しよう」わたしは赤司の隣に立って言った。


「           」


赤司は満足そうに、とても嬉しそうに、微笑んだ。

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