「まさか緑間が風邪をひくなんてねー」
「俺もビックリした」
「わたしはミホちゃんと緑間くんが相合傘で帰るとは思わなかったなー」
「いつも人事を尽くして天命を待つとか言ってるのに、傘忘れててかわいそうだったからさ」
「…いつまでそんな大昔の話をしているのだよ」
「大昔って、一か月前だよ?」
「お お む か し だ」
「はいはい」


やってきましたテスト期間。教室で緑間、高尾、アヤちゃん、わたしが机を合わせている。テスト前一週間は部活が休みになるということで、緑間に勉強を教えてもらっている放課後。男女が四人も集まれば勉強できないこと必至。緑間の解説を聞かずにさっきからずっと喋っている。そのため、ついに緑間の堪忍袋の緒が切れた。


「赤点を取りたいのか?お前ら…」
「「「!!!」」」
「俺は別にいいのだよ、お前らが赤点だろうがなんだろうが」


さっさと帰り支度を始める緑間を三人で必死に止めると、緑間は眉間に皺を寄せながら、再び椅子に座った。危ない危ない。秀才緑間がいないとわたしのテスト結果は大変なことになってしまう。三人で顔を見合わせ、喋らないようにしようとアイコンタクトを取った。




★★★





なんとか緑間先生の解説を聞き、テスト勉強対策をした。あたりはオレンジ色に染まりつつある。さてもう帰ろうか、とお開きムードになり、みんなで帰り支度をする。昇降口にたどり着くと、緑間は「俺は自主練をしてから帰る」と言い、体育館へ向かったようだ。・・・真面目だなぁ。


「高尾は?」
「俺は疲れたからパスー」
「そっか、じゃあアヤちゃん送って帰ってね」
「え?ミホちゃんは?」
「緑間見てる」
「「恋!?」」
「・・・・・・・」
「それはないか」
「それはないよねー」
「それはないです、ハイ」


ばいばい、と手を振り、二人を見送る。さて、体育館へ行こう。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -